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プロジェクトストーリー
Project story
稼働エネルギー、人件費の大幅削減を実現する、
大型最新鋭の洗濯プラントを成功に導く。
2018年、当社は、2015年より計画されていた大型最新鋭の洗濯プラント立ち上げプロジェクトを再始動した。お客様のご要望は、インバウンド需要による処理量増加対応に可能な工場かつ、省エネ化、自動化による人件費の削減。プラン・見積もりの提案から、機器の据付工事・試運転の実施、稼働まで、幾多の困難を乗り越えて、お客様のご要望を実現する洗濯プラントをつくりあげたプロジェクトメンバーの奮闘の日々を追った。
Project member's
入社後、九州支店に配属され、1年半メンテナンス業務を担当。その後、中国支店に異動し営業を担当。2022年より九州支店に異動し、営業を担当。
入社後、3年間の白山工場勤務を経て、エンジニアリング部に異動。以降、10年にわたりエンジニアリング業務を担う。
入社後、30年にわたりメンテナンス業務一筋のベテラン。
2015年より計画されていた、そのお客様の大型洗濯プラントの建設プロジェクトが再始動したのは2018年のことだった。計画当初から本プロジェクトに携わっていたエンジニアリング部のK.Tは胸を高鳴らせていた。「ある事情で一旦頓挫し、どうなることかと思っていたので、ようやく始まるなと」
当プラントはサッカーコート2面分の敷地を要する規模。当社でも2〜3年に1度の大規模プロジェクトだ。お客様のプラントに関する要望は大きく3つ。一つ目は旺盛なインバウンド需要に対応できる生産量の実現、二つ目は省エネ化の実現、三つ目は自動化による人件費の抑制であった。課題は多いが、これまで当社が蓄積してきたノウハウを組み合わせればクリアできる。K.Tはそう思った。
そんなK.Tと同じく計画当初から関わっていたのがメンテナンスのK.Hだ。「実はお客様の他のプラントのメンテナンスを長く担当していて、お客様の責任者の方とは旧知の仲。スムーズに新プラントの立ち上げが進められるよう参画させていただきました。初期の打ち合わせ段階から、メンテナンスに関するお客様の様々な質問にお答えしたことで、安心感を持ってもらえたのではないでしょうか」
一方、再始動後に本プロジェクトに参画した営業のY.Hは不安と期待の両方を感じていた。「入社以来、これほど大きなプロジェクトに携わるのは初めて。覚えることばかりで右も左もわからない状態だったのです」かくして三人三様の想いを乗せて、プロジェクトは再始動した。
エンジニアリング部ではまず、営業から上がってきたお客様の要求仕様に基づき、基本レイアウト、機種の選定、さらに稼働後のメンテナンス体制、本プラントで達成できる成果などを盛り込んだ提案書を作成する。「私たちが描く図面は最終的に形になるもの。最初は予算を度外視し、お客様の夢や想いを大切にしてつくっていきます。そこからいろんな業者さんと擦り合わせしていき、現実的なプランに練り上げていくのです」
当社が提出した提案書は見事にお客様の心を射た。大規模プロジェクトであれば当然、競合他社が存在するが、本プロジェクトでは提案活動の過程で競り勝ち、再始動した2018年には当社への発注が決まっていた。「プラントの立ち上げ〜稼働後のメンテナンスに至るまで、当社には他の追随を許さない豊富なノウハウがある。そこを評価していただいたのだと思います」とエンジニアリング部のK.Tは言う。
仕様やレイアウトが決定後、Y.Hの重要な業務となるのは、見積もりの提出だ。これだけの大規模な新規プロジェクトとなると、途中の打ち合わせ段階で仕様や機種が変わることは多々ある。それに伴い、幾度となく見積もりの変更・再提出を行うことになる。「競合他社が存在しないと言っても、お客様の想定とかけ離れた価格を提示すれば、新たな競合が生まれかねません。とはいえお客様に一番喜んでもらえる仕様にもしたい。コストと品質の最適なバランスを実現すべく、エンジニアリングやメンテナンスと揉みに揉んで価格提示を行いました」
一方、エンジニアリング部のK.Tが苦労していたのは、本プロジェクトで当社が初めて導入する機械に関すること。「その頃、当社は省エネ化に大きく貢献するガス式乾燥機を開発に成功。その第一号を本プロジェクトに導入することになったのです。初めてのケースであるため、導入にあたって建築や配管、ガス会社など外部の業者の方々との綿密な打ち合わせが必要でした」
本プロジェクトのプラン・見積もりがフィックスし、本契約が締結されたのは2019年夏。すでにプラントの建物の建築工事は進んでおり、ちょうど上棟のタイミングであった。しかしその後、思わぬ困難が待ち受けていた。本来は建築が終わってから、当社が現場に入る。しかし建築のスケジュールが大幅に遅れ、建築が終わる前の2020年1月から当社が入らないとプラント稼働予定日に間に合わないということになったのだ。ここから工事の工程表を作成するエンジニアリング部のK.Tの苦労が始まる。「工程表はプラント稼働日から逆算してつくりますが、この時は建築工事の途中なので、建築の工程表も睨めっこして作成する必要がありました。例えば、当社の機器を搬入する日と、建物の内装の時期が重なると、エリアを分けて工事を行わなければならなかったり……」
当社関連の業者よりも、建築関連の業者の方が多い現場に入り、洗濯機、乾燥機をはじめとする様々な機器の設置工事を遂行するには多くの困難が伴う。エンジニアリング部のK.Tが作成した工程表のもと現場の段取りを行った営業のY.Hは言う。「今日は建築のこういう工事があるから、ここは入らないでほしいとか、人数は何人までとか。日々建築の方々と打ち合わせをしつつ、エンジニアリング、メンテナンスとも相談して、建築工事と当社の工事の段取りを交通整理するのが一番大変でした」
一方、メンテナンスのK.Hのミッションは、工程表のもと機器の据付、接続、試運転に向けて、現場をコントロールしていくことだ。「機器搬入に先立って工程表に沿って人員の確保・配置を決め、搬入開始後は自分自身が現場に立ち、据付、接続、試運転の指示をしていきました」
結果的にタイトな工期の中、工程表通りに進めることができたのは、“チームワークの賜物”だと、メンテナンスのHは振り返る。「人が足りなくなれば、当社の他の支店などから応援をお願いしたり、営業のY.Hくん、エンジニアリング部のK.Tさん始め、メンバーみんなと密に連絡をとりながら進めました。その間も建築は遅れに遅れ、最後の試運転はさらに限られた時間でやらざるを得なくなって。そんな中、お客様をうまく巻き込んで、『テスト用の商品をこの時間、この位置に用意してください』などと調整し、各メーカーさんにも協力をお願いすることで乗り切りました」
全ての試運転が完了したのは2020年4月末、プラントは当初の予定通り5月に本稼働した。
当社が本プラントにおいてお客様にもたらした成果は大きいと、エンジニアリング部のK.Tは力強く語る。「お客様にここ最近の数値を見せていただいたのですが、本プラントは、お客様の複数の従来工場の平均よりも、稼働エネルギー15%削減、人件費20%削減を実現しています」
プラントが本稼働した頃、営業のY.Hの心はすでに次の仕事に向かっていた。「当社のプロジェクトは一つが終わると、営業の仕事が終わりというわけではなく、同時に次の掘り起こしを、ということになります。また、稼働後のプラントに関しても、現場で起きた小さな問題や要望をフィードバックして、新しい提案に繋げていくことが求められます」
エンジニアリング部のK.Tも本プロジェクトでの経験を糧に新しいことにチャレンジしたいと意欲を燃やしている。「より安全性、メンテナンス性に優れた、より使いやすいプラントをつくっていきたいですね。部署内でも、カーボンニュートラルに向けて、IoTなどの新技術も視野に入れたものづくりを目指していて、今後の大きく可能性は広がっています」常にお客様に求められる洗濯ラントの実現に向けたアイナックス稲本の飽くなき挑戦は続いていく。